私と管理人と業者

マンション住人は名前に弱い

マンション住人の最大の欠点は「名前とユニフォームに弱い」ことである。例えばマンションのエントランスを修繕することになったとしよう。マンション住人は、まずは名前をよく聞いたり見たりする企業に見積もりを依頼する。それから地域にある小さな工務店にも見積もりを依頼しようということになり、それぞれが一○○○万円の見積もりを持ってきたとする。マンションの役員は住人に集まってもらい、業者の選択をさせる。素人のマンション住人の九○%は名前をよく聞く業者に手を上げて、選択が終わる。だが有名な業者は大工さんを自前で持っていないために、下請けに五○○万ほどで工事を任す。五○○万で工事を請けた下請けも少しは利益を考えるので、四○○万程度の作業をする。一○○○万の仕事が有名な業者に任せると、四○○万の仕事で終わってしまう。マンション住人も馬鹿ではないので、そのくらいは見抜く力がある。作業内容がおかしいと有名な業者に苦情を言っても、なかなか対応してくれない。そのうちにマンションの役員が代わり、結局はマンション住人の泣き寝入りになってしまう。だが近所の小さな工務店に頼むと、工務店も少しは利益を取るが、少なくても九○○万ぐらいの仕事はする。またマンション住人が何か気がついて工務店に連絡すると、五分もかからないで飛んでくる。マンション住人は名前に弱いことで大きな損をしているのだ。